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【単発小説】とある便利屋のお話<序章>
2015年01月04日 (日) 00:35 | 編集
序章だけ書くの楽し過ぎる。
ネタがだいぶ不謹慎。

続かないです。


*************************************************
 テトスは机に向かい、考えていた。
 今日中に納めなければならない、借金の利子が払えない言い訳を。

 「父親が病気になったから……。いやいや、父親は既に死んだ設定だった」

 取り立ての度に親族が病気やら不幸になった設定で言い訳をしていたので、誰が生きている設定なのかもはや自分でもわからない。
 テトスが次は誰を殺したものかと頭を悩ませていると、バーン、と部屋の扉が開き、長い赤毛の少女がノートとペンを持って入ってきた。

 「テトス。赤いペンのインクが無くなりました」

 ずい、と赤ペンを付き出し、無表情でテトスに訴える。

 「黒いペンと一緒に買ったものですが、黒いペンはまだまだインクがあります。しかし、赤いペンはもうインクがありません。これがどういうことかわかりますか」
 「知るか。赤ペンが無ければ黒ペンを使えばいいじゃない。今は金が無い」
 「そう、その通りです」

 赤毛の少女は、ノートをテトスの顔の前で開いた。赤字で書かれた数字が並んでいる。

 「この通り、『便利屋TTS』の出納帳は真っ赤なのです。黒ペンさんが開店休業、私達も開店休業」
 「わかってるって。今対策考えてるから」

 少女がノートとペンをテトスの机に置く。

 「今日の取り立てをやり過ごしたところで、根本的な解決にはなりません。そろそろ潮時かと」
 「だったらどうしろっていうんだよ、そもそも依頼が来ないっていうのに。それとも、何か案があるのか、ティア?」
 「はい。名案が」

 言うが早いか、ティアと呼ばれた少女は腰に下げてあった短刀を抜き、テトスに踊り掛った。テトスは椅子から転げ落ちながら寸でのところで避ける。

 「ちょ、ティア!?」

 素早く立ち上がって間合いを取ろうとするが、ティアはジリジリとテトスににじり寄る。

 「テトスの葬式で、今回はやり過ごします」

 ああ、そうか。そういえは俺はまだ死んだ設定じゃなかったな。

 「……じゃなくて!  お前、さっき今回やり過ごしたところで解決にはならないって言ってただろ!」
 「はい。しかし、テトスが死ぬと漏れなく保険金が下ります」
 「ほ、ほけ……?  いやいやいや、確かにそうかもしれないけど、早まるな!」
 「ちゃんと事故死に見えるように、上手く工作します」
 「ほんと、それだけは勘弁っていうか!  勘弁してください!」

 表情の変化に乏しいティアの顔からは本気度は測れないが、本気ならば取り返しがつかないのでテトスは全力で命乞いをする。

 「大丈夫、痛くしないから」
 「痛くないわけあるかぁあああ!」

 今にも飛びかかってきそうなティアから目を離さないようにしながら更に後ろに下がろうとするが、これ以上の後退は壁が許してくれなかった。
 万事休す。

 「だめぇえええ!」

 そこに叫びながら飛び込んできたのは、11、2歳くらいの金髪の少年だった。

 「テトスさんを殺しちゃだめ!」
 「ラウル……」

 涙を浮かべながら必死に止めに入った少年に、テトスは素直に感激した。

 「ティアさんは知らないかも知れないけど、テトスさんは……テトスさんは、保険料も払えなくて先月から保険解約してるんだよ!」

 ラウルの言葉に、部屋の中になんとも言えない空気が流れる。

 「あー、そういえば……」

 テトスの呟きを聞くと、ティアが短刀を下ろした。

 ――助かったというのに、全く嬉しくないのはどういうことだろう。

 「今のテトスさんの命には、1ジェラの価値もないんだよ」

 ラウルが悪びれも無い様子で追い打ちをかける。

 「ごめんなさい。テトス。私、知らなくて……」

 そして彼女は一体何に謝っているのだろうか。

 「でもね、テトスさん。僕は知ってるよ。テトスさんはもっと別の所で価値のある人なんだって!」

 テトスが行き場の無い虚しさで軽くへこんでいると、ラウルが目をキラキラさせながら見上げて来た。
 よかった。この子はやっぱり良い子なんだ。
 そう思った矢先、ラウルは眩しい程の笑顔でテトスを絶望させた。

 「内臓って、高く売れるんでしょう?」

 誰だ、この子にそんな知識吹き込んだ奴は。



END.

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